>> 株式投資で損ばかりしている方へ、、、
とりあえず、これを読んでみて下さい
セイラー教授の行動経済学入門
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経済学では説明できない現象 |
従来の経済学では説明できない現象を新しい経済学で説明しようとしている本
従来の経済学で説明できない14もの例外を用い経済学の新しい分野を
用い説明しています.表紙にもなっているお金の入ったビンの総額を
当てる行為は、平均値はお金の総額よりも低く、最高値はお金の総額よりも
高いそうです。そのような現象を説明できるもの、できないものを
解説しています。多くは身近で起こるような出来事が多くまた
経済学の本にはめずらしく数式が登場していないことです.
もともとは1992年の本で一度1998年に出版されています
今回のこの本はかなり読みやすいです.
しかし、さすがに先端の理論なので理解するのはまた難しいのと
10年ぐらい前の本なので今でも先端かどうかは別問題であることです.
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かなり難解だが一読の価値はある |
“・・・入門”とありますが、経済学に疎い人間には、正直かなり難しい内容でした。
“心理学と融合する新しい経済学”ということで、興味をひいたのですが、解説の数式・図表をどこまで理解できたか・・・。
伝統ファイナンスと呼ばれているものが、人間の行動の“不合理性”を一切考えに入れていないがために現実を説明しきれないこと、
対して、行動ファイナンスが、直感的に理解できて現実とのフィット感が高いものの、理論的には説明しにくいものであること
こんなイメージをつかむ事はできました。
“一般ビジネスマン”に“読みやすい”ものへと翻訳も“改め”られたようですが、
硬派の読み手には物足りなく、軟派な読者にはまだわかりにくい、ということになったかもしれません。
ただ、苦労して読んで損はなかったと思います。
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行動経済学分野の貴重な書籍 |
原著初版が1992年、邦訳初版が1998年と、この分野の発展を考えると古さは否めないと思いますが、
カメレール、カーネマン等のこの分野での著名な学者の訳書が出版されていない状況下では、
貴重な一冊だといえます。
経済学の主要な領域でかつ、日常的に接する領域について、
従来の経済学での捉え方と行動経済学としての捉え方の比較をしながら、
人間の本性や心理を経済学に取り入れることが如何に重要であるかを教えてくれます。
但し、各領域ごとの解説ですので、行動経済学としての理論体系の全体像はあまり見えてきません。
あと、今回の改題新版では原書注や引用文献は一切省かれています。これが減点要因です。
広い層の読者の関心が理由とのことですが、本書を契機に知識を深めようとする読者にとっては迷惑です。
原書注、引用文献を確認しながら読みたい方は、旧書「市場と感情の経済学」を読まれたほうがいいと思います。